コンビニ/2月は新型コロナウイルス影響でマスクなど日用品需要増
2020年03月10日 15:40 / 月次
コンビニエンスストア各社が発表した2月の営業実績によると、既存店売上高の前年同月比はセブン-イレブン0.8%増、ファミリーマート0.9%減、ローソン0.4%減、ミニストップ2.7%増となった。
また、新型コロナウイルスの影響によるマスク、紙製品などの日用品の駆け込み需要があった。ミニストップでは、マスク、ティッシュなどを含む紙・衛生品の販売金額が69.3%増だったという。
客数は、セブン-イレブン1.7%減、ファミリーマート1.4%減、ローソン1.2%減、ミニストップ1.5%増となり、ミニストップのみが前年を超えた。
客単価は、セブン-イレブン2.5%増、ファミリーマート0.5%増、ローソン0.8%増、ミニストップ1.1%増となった。大手4社はそろって増加した。
■セブン-イレブン(2019年2月期:チェーン全店売上高4兆8988億7200万円)
既存店売上高は、前年同月比0.8%増、客数1.7%減、客単価2.5%増。
チェーン全店売上高5.5%増、店舗数は2万916店。
既存店の売上高は5カ月連続で前年を超えた。一方で、客数は5カ月連続前年割れとなった。客単価は5カ月連続プラスだった。
■ファミリーマート(2019年2月期:チェーン全店売上高2兆9828億5200万円)
既存店日商0.9%減、客数1.4%減、客単価0.5%増。全店売上高1.8%増となった。
単体では、出店92店、閉店32店、純増60店、合計1万5686店。
エリアフランチャイズは、沖縄326店、南九州395店、JR九州リテール204店、合計925店で、国内合計1万6611店だった。
2月は、「お母さん食堂」のパウチ型惣菜・冷凍食品、カップ麺など日持ちする商品や、新たなシリーズ「デザートモンスター」を発売した手作りデザート類、カウンターコーヒーが好調に推移した。
中食全体では、前年のおむすび100円セールの反動やカウンターFFを除くと前年並みとなった。また、新型コロナウイルスの影響によるマスクなどの日用品の駆け込み需要があり、「中食以外」は前年並みとなった。
「ファミペイ」のダウンロード数は引き続き順調に推移しており、2月末時点で500万ダウンロードを達成した。
デザートは、2月4日より発売を開始したワンハンドタイプの新商品「デザートモンスター」シリーズが好調で前年実績をクリアした。
惣菜は新型コロナウイルスの影響もあり、中食の需要が高まったことで、お母さん食堂シリーズを中心にスープ類も好調で、前年実績を上回った。
調理パンは、全粒粉を使用したサンドイッチやフルーツサンドなどが好調だった。朝の時間帯を対象にした販促の効果もあり、前年実績をクリアした。
■ローソン(2019年2月期:チェーン全店売上高2兆4245億4100万円)
既存店売上高(チケット・ギフトカード除く)0.4%減、客数1.2%減、客単価0.8%増。
ローソン単体の全店売上高は1988億1300万円(0.4%減)、客数727人、客単価695円。平均日販は50万5000円。
国内では、出店6店、閉店は純粋185、置換3、純減182店だった。
2月末時点のローソングループ国内総店舗数1万4444店のうち、ナチュラルローソンは145店、ローソンストア100は742店。
ローソンストア100は、既存店売上高0.2%増、客数2.3%減、客単価2.5%増となった。出店0、閉店22だった。
2月度は、新型コロナウイルスの感染症拡大により、一部の商品の販売や来店動向などが変化しているが、今後の影響については状況を注視している。
調理パンカテゴリーの売上は、食べごたえのあるこだわりのソーセージが特長の新商品「GOOODOG(グーードッグ)」の2商品(「とろけるコク旨チーズ」、「トマトオニオン ~ハラペーニョ入り~」)が好評を博した。「SAND FULL(サンドフル)」シリーズのサンドイッチが引き続き好調だったことなどにより、前年に比べ大幅にアップした。
デザートカテゴリーの売上は、チョコレート(ショコラ)の需要が高まるバレンタインシーズンに向けて発売した、ショコラスイーツ7品(「CUPKE ごろごろ生ショコラ」「ホボクリム -ほぼほぼクリームのシュー(ショコラ)-」ほか)の販売が好調だったことなどにより、前年を大きく上回った。
ベーカリーカテゴリーでは、「マチノパン」シリーズの新商品「ミルクとバターのフランスパン」、「あんことバターのフランスパン」が販売を牽引し、売上は前年を超えた。
日配食品、冷凍食品カテゴリーの売上は、主に生活全般のニーズに対応する品揃えの強化を継続していることにより、前年を大きく上回った。
新型コロナウイルスの感染症拡大により、マスク、衛生用品や紙製品への需要が高まり、日用品の売上は前年を大きく上回った。
たばこの売上は前年を下回り、既存店売上高前年比を0.5%程度押し下げる要因となっている。
ローソンストア100については、新型コロナウイルスの感染症拡大をうけ、マスク、衛生用品、紙製品などの日用品が前年を大幅に上回ったほか、即席麺などの加工食品が前年を上回っている。
客層拡大に向けた取り組みとして、鬼滅の刃スタンプキャンペーン、冬のローソンフェアたまるよスタンプを実施した。ドラえもん映画40作品 スマホスタンプラリー(2月4日~3月30日)を継続。また、有名アーチストが監修したローソン限定商品「レモンサワースクワッド」を販売し好評を博した。
2月7日、加盟店経営の安定に向けての新たな施策として、低利益の加盟店の複数店推進に向けた支援、店長育成支援、新規加盟者への施策、5年契約パッケージの新設やオーナーの休暇取得サポートなど、短期~中長期の取組を発表しました。今後も加盟店とのさらなる強いパートナーシップを築いていく。
3月2日、「新型コロナウイルス感染防止の取組への協力」を発表、学童保育施設の昼食サポート(要望のあった全国の施設におにぎりを無償で提供)、国内の生乳を使用したMACHI café一部商品の値引き販売(3月9日~20日)、本部社員のリモートワーク(3月2日から2週間)に取り組んでいる。
■ミニストップ(2019年2月期:チェーン全店売上高3337億4000万円)
既存店1店1日当たり売上高は41万2000円(2.7%増)、客数732人(1.5%増)、客単価563円(1.1%増)。
全店1店1日当たり売上高は41万2000円(5.3%増)。全店売上高は1.2%減となった。
出店0店、閉店2店、期末店舗数は1997店。
コンビニエンスストア商品の既存店日販は1.2%増、店内加工ファストフードの既存店日販は14.0%増となった。
新型コロナウイルスの影響は、2月10日週より顕在化し客数の減少が続いているが、顧客の消費スタイルに変化が生じ、買上点数が向上し客単価が上昇した。
コンビニエンスストア商品については、新型コロナウイルスの影響により、マスク、ティッシュなどを含む紙・衛生品の販売金額が前年同月比69.3%増だった。
また、外出を控える動きが増える中、近隣店舗でのまとめ買い需要が高まったことでデイリー食品分類の販売金額前年同月比が15.0%増、食パン分類の販売金額前年同月比が13.2%増となった。
店内加工ファストフードについては、1月から「ホットコーヒーSサイズ」を本体価格80円に変更し、好評を得ている。
タピオカドリンクの新商品「タピオカ抹茶ミルク」を発売し、ドリンク分類の販売金額前年同月比は約2.3倍となり、好調な店内加工ファストフードを牽引した。
■ポプラ(2019年2月期:売上高260億円)
既存店全店日商27万9000円(4.8%減)、客数512人(5.1%減)、客単価545円(0.4%増)
全店売上高26万9000円(6.5%減)、客数501人(4.9%減)、客単価536円(1.6%減)
■ニューデイズ(2019年3月期:売上高1242億円)
既存店売上高3.0%減、客数2.9%減、客単価0.1%減
全店売上高2.7%減、店舗数497店
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