大手百貨店/7月売上高4社そろって増、高額品・夏物が好調
2024年08月01日 16:20 / 月次
大手百貨店4社が発表した7月の売上速報によると、三越伊勢丹前年同月比11.3%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)10.0%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)15.0%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)8.1%増だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 11.3%増 |
J.フロントリテイリング | 10.0%増 |
H2Oリテイリング | 15.0%増 |
高島屋 | 8.1%増 |
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比13.3%増、三越日本橋本店店頭6.5%増、三越銀座店26.0%増などで、三越伊勢丹計11.3%増だった。
函館丸井今井13.2%減、仙台三越9.1%減、新潟三越伊勢丹9.6%減、静岡伊勢丹4.1%減、名古屋三越1.4%増、松山三越9.9%減など、国内グループ百貨店計は0.3%増となり、国内百貨店計は7.2%増となっている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店を中心に、引き続き高付加価値商品の売り上げが伸びた。
ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾・時計、化粧品などが好調。気温上昇に伴い、サングラス、カットソー、ブラウス、パンツなど夏物アイテムへの関心も高かった。
免税売上は、国内百貨店計(既存店)で先月と同水準の売上高となり好調を継続している。全体購買傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高いという。
■J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比10.0%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は10.0%増だった。
7月の売上高は、休日が対前年マイナス2日だったことによるマイナス影響があったものの、ラグジュアリーブランドや化粧品が引き続き好調を持続したことに加え、気温の上昇に伴いサマーニット、カットソーなどの夏物衣料品が活発に動いた。
店舗別では、15店舗中9店舗が前年実績を上回った。札幌店が対前年2割超と伸びた。心斎橋店、京都店、博多大丸も2ケを超える増収となった。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年同月比111.8%増(客数79.7%増、客単価17.9%増)。札幌店、名古屋店、静岡店の免税売上は前年の約3倍となっている。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比15.0%増となった。内訳は阪急本店21.3%増、阪神梅田本店5.9%増、支店計8.2%増。
関西では上旬から猛暑日が多く、都心店を中心に盛夏ファッションが堅調に推移。セールの縮小傾向を定価商材の伸びでカバーした。中でも、免税売上高の伸長もあり阪急本店と博多阪急の売上高は前年に対して約2割増と全体をけん引している。
お中元商戦については、気温の本格的な上昇もありビール、そうめんなどが堅調も、洋菓子の苦戦傾向に加え、一部果物の不作の影響で送料込みの産地直送ギフトの早期品切れが発生。全体的な売上は前年実績を少し下回る水準で推移した。
免税売上高は前年に対して約2.1倍、阪急本店も約2.1倍と引き続き好調で、同月の売上高では14カ月連続で過去最高を更新している。
阪急本店は、インバウンド売上もあり、服飾雑貨、化粧品、ラグジュアリーの売り上げが2割を上回る伸びを示した。
中でも、バッグ、インターナショナルファッション、宝飾品、時計の売上高は3割以上伸びている。
婦人服では、夏の定価商材の販売強化を目指し、盛夏アイテムの足し込み、スタイリングの打ち出し強化、セール開始日を19日へ後ろ倒ししたことで、定価商材が2割を上回る伸びで全体売上をけん引、計画も上回った。
人気催事「ハワイフェア」は、10回目を迎え展開商材の充実に加えて、現地からの招聘者数は海外催事の中でも最大級で、顧客がショップオーナーやアーティストなどと交流を楽しんだという。過去最高売上を更新した。
100万円以上の高額品の売上高は、前年の約5割増と引き続き高い伸びを示している。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は7.4%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は8.1%増だった。
国内顧客は、婦人ブラウス、パンツなどの夏物衣料(正価品)や旅行用品に動きが見られた。また、インバウンドは、引き続きラグジュアリーブランドを中心とする高額品が伸びている。
店舗別売上高は大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、EC店、岐阜店が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)は、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、リビングが前年実績を超えた。
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