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イオンリテール/今期は1000m2~5000m2で出店「ここdeデリ」必須

2019年08月08日 17:20 / 店舗

イオンリテールはこのほど、2019年度の出店計画を発表した。今期は、従来のようなモールの核店舗として総合スーパー(GMS)を出店するのではなく、1000m2から5000m2のコンビネーションフォーマット「イオンスタイル」を、9店舗出店する。

<イオンスタイル>
イオンスタイル

7月31日、都内で開催したマスコミ懇談会で、井出武美社長が明らかにした。

3月29日に「イオンスタイル上麻生」(川崎市・売場面積1228m2)を出店したのを皮切りに、4月13日に「同幕張ベイパーク」(千葉市・同2400m2)、4月26日に「同美園三丁目」(さいたま市・同1574m2)、7月25日に「同新井宿駅前」(埼玉県川口市・同964m2)、7月26日「同岡山青江」(岡山市・同5450m2)の合計5店をオープンしている。

井出社長は、「幕張ベイパークの周辺には、『イオン幕張』やGGストアの『イオンスタイル検見川浜』、リージョナルショッピングセンターの『イオンモール幕張新都心』がある。そことどう差別化するのかをコンセプトとして考えて店づくりをした。まずは、食を中心として、ドラッグや衣料品やホームファッションやキッズ商品やそれ以外のスポーツ商品を導入し、総合スーパーだからできる新しいコンビネーションのフォーマット、売場を模索して作っている。現在、幕張ベイパークは、順調に推移している」と述べた。

これまで、イオンスタイルは、総合スーパーに自社運営の専門店を集積させた業態と位置付けていた。今期から、売場面積1000m2の食品スーパー規模の店舗も「イオンスタイル」として運営する。

<井出社長>
井出社長

井出社長は、「当社として、普通の食品スーパーをやっているつもりはない。GMSを運営してきたイオンリテールが持つノウハウを組み合わせた業態がイオンスタイルだ。『ここdeデリ』では、対面販売も実施しており、ここが普通のスーパーとの違いになっている。食品とモノ、コト、トキを融合したいわゆる『ここdeデリ』を必須として、それにドラッグやビューティーなどを組み合わせるのが、現在のイオンスタイルの定義だ」と語る。

ここdeデリは、対面販売形式のデリカなどの直営専門店やインストアベーカリー売場にイートインスペースを併設して、できたての惣菜やベーカリーなどを店舗で楽しめる取り組み。

イオンの直営専門店として、惣菜店「リワードキッチン」、ステーキ・ハンバーグ店「ガブリングステーキ」、海鮮丼・寿司店「魚魚彩(ととさい)」、生パスタの店「ペルグラーノ」、手づくりサンドイッチ店「デリサンド」、手作りおにぎり店「ほのみ」、コールドプレスジュース店「Depot de sante (デポ・デ・サンテ)」など展開している。

導入店舗では、お客から好評となっている取り組みで、売上は順調に推移している。一方で、ここdeデリに関わる食専門店の賃貸スペースや人件費を加えた部門損益では、単独での黒字化が難しいという課題もある。

井出社長は、「ここdeデリは、まだスタートであって、絶対、進化させたい。いまの食品スーパーが、この先、物販だけで成り立つのかという課題もある。例えば、イオンモールは広大なフードコートを展開しているが、1年だけ見れば、大型テナントに貸した方が利益は高いだろう。でも、機能として必要になっている。コーディネーションであり、そこは、我々はゆるぎがない。場を提供することで、差別化するために、ここdeデリは必要だと思う。フードコートの持つ集客力とか、部門別管理のPL(損益計算書)には表せない効果がある」と指摘する。

出店エリアについては、「例えば、イオンスタイル新井宿駅前は、イオンモール川口前川、建替え中のイオンモール川口の商圏内にあり、ドミナントエリア連携という視点がある。商圏内に物件があれば、他の企業が出店する可能性もあり、防衛出店という意味もある」と述べ、既存店の商圏を異なる規模と機能を持つ業態で補完する方針だ。

今後、8月9日に「イオンスタイル河辺」(東京都青梅市・売場面積3500m2)を出店。秋には、2018年2月に閉店した神奈川県大和市の「イオンつきみ野店」跡地に出店する。

また、秋を目途に、2018年2月に閉店した「イオンタウン四日市泊」の建替え後の「(仮称)イオンタウン四日市泊」に出店。そのほか、1店の出店を計画している。

■ここdeデリ
https://www.aeonretail.jp/company/efforts/aeon_style/kokodedeli.html

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