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ドン・キホーテ/IT技術と会員情報を活用した次世代店舗を検討

2017年08月16日 12:55 / 経営

ドンキホーテホールディングスは8月16日、IT技術と会員サービスを活用した次世代店舗を2018年度を目途に出店する方針を明らかにした。

大原孝治社長兼CEOが、都内で開催した事業説明会で明らかにした。大原氏は「スマートフォンが普及し、ウェブとリアルには差がない世界が来ている。いまの消費社会にあった新しい流通業を作らなければならない」と語り、現在、構想している次世代店舗のイメージ動画を放映した。

<大原社長兼CEO>
大原社長兼CEO

次世代店舗は、スマホのアプリや顔認証技術などを活用した店舗で、ドン・キホーテの会員サービス「マジカ」を利用して、個別のお客へお薦め商品を表示するなど、スマホを活用した接客をする。

自動車で来店する場合は、顔認証技術も採用し、自動で駐車場へのシャッターがあがり、店内での買い物履歴と連動して、駐車料金無料サービスを提供する。

大原氏は「動画の内容は、まだ私が構想していることの半分程度の内容だ。ただ、私の目にかなう店舗ができれば、早ければ2018年度中には、IT技術を活用した店舗をリリースする。少なくとも駐車場への自動入場サービスは導入したい」と語った。

顧客の購入データを分析した上で、マーケティングを行うCRMも強化する予定で、IT企業に頼ることなく、自社でシステムを開発する予定だ。

大原氏は「アマゾンはITサービスで利益を上げて、その利益をリテール部門の価格に反映させて自己増殖している。当社は、リテールであげた利益をITに投資して、ITの改革を起こす」と語った。

現在、ドン・キホーテのレジ通過客数は年間3億3000万回で、膨大な情報が活用しきれていない。流通業の同業他社も巻き込んで、流通業自身が自社の顧客データを収集、分析、活用できる仕組みを目指したいという。

独自電子マネー「マジカ」の会員数は500万人を突破したが、Tポイントやポンタに比べて会員数が少ない点については「将来的には1000万人の会員を目標としているが、会員数の数は追っていない。実際に利用しているアクティブユーザーの数が問題であり、現在約250万人のアクティブユーザーがいる。リピーターでもあるアクティブユーザーとのコミュニケーションの密度で、会員数を見る必要がある」と述べた。

ポイント制度の相乗りについては、「本来、ポイント制度の主語は、事業主体だ。自らが会員組織を組成して、自らがデータ分析をするべきだ。ポイントの相乗りはナンセンスだ」という。

ただ、マジカで培ったCRMなどの仕組みについては、「流通業の発展のため、同志的なつながりをもてる同業他社にも開放したい。その時は、マジカという名前にはこだわらず、それぞれの流通業でふさわしい名前にしたい」と語った。

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