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サミット/監督と執行分離、服部新社長「超横連携」推進

2020年04月03日 12:00 / 経営

サミットは4月1日、代表取締役社長の交代を実施した。社長交代にあたり、服部哲也代表取締役社長と竹野浩樹取締役会長が会見を行った。

竹野会長は、「中期計画を達成し、新しい中期計画が始まるタイミングで、新たな成長を追求する上で、監督と執行を分離し、現場に精通する服部専務を新社長に据えて、執行の職責を託した」と述べた。

服部社長は、「これからも会社の方向性に竹野が関わり、それに基づいて私と田村専務が商品、オペレーション実行する体制に変わりはない。楽しさにこだわり、全社で部門横断の超横連携を進めていきたい」と述べた。会見の要旨は以下の通り。

<服部社長(左)と竹野会長(右)>
服部社長(左)と竹野会長(右)

■新中計「GO GREEN 2022」社会に必要とされる存在を目指す

竹野会長 2017年度から新事業ビジョンである「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」を掲げまして、全社一丸となってお客様の共感を呼ぶ、ハイタッチな店づくりを目指して参りました。結果としましては、中計「創革2019」では、計画以上に業績が好転いたしまして、業界トップクラスの水準に達し、スーパーマーケットとしても、かなり魅力あるスーパーマーケットが作れたと思ってます。

現在、今日から始まる新しい中計を、このタイミングで、今後、新たな成長を追求する上で監督と執行を分離しまして、現場に精通してます服部専務を新社長に据えて、執行の責務を託すこととしました。

また、サミットでは同時に次世代を担う優秀な人材も育てて来ていますので、新執行体制の下、それぞれ新しい役割を与えてさらなる成長を加速していきたいと思ってます。

私、竹野は、取締役会長として、今度は執行ではなく監督の立場で、サミットの成長戦略ですとか、ビジョンの策定、その実践、そしてさらには、いままで以上に住友商事との連携、こういったことをやって参りたいと思います。

さらに私の方は、非常勤の会長となりますので、どうするのかといいますと、住友商事の方に、帰任をいたします。住友商事では、ライフスタイルリテール事業本部長という立場、つまり、住友商事リテール部門のトップの役割を果たしていく、ということになります。

住友商事のリテール事業全般、それはなにをやってるかと申しますと、スーパーマーケットのほかに、ドラッグストアもヘルスケア事業も、さらに食料も担っておりますので、そういったビジネスをこれから一緒になってやっていこうというふうに思ってます。

今日から始まる3年間の中計なんですけど、本来であれば1月の半ばごろお取引先説明を開催させていただきまして、その段階で皆さんにプレスリリースをさせていただいて、我々が考えている中計についてご説明を申し上げようと思いました、これが延期となりましたので、簡単に触りだけお話をさせていただきたいと思います。

この3年間は「創革2019」と申しましたけども、今度の中計は「GO GREEN 2022」としました。目指すところは、社会に必要とされる新しいスーパーマーケットを目指したいとしました。「創革2019」というのは、創造力のある革新的なスーパーマーケットを目指そうしました。それは、すべてができたわけではございませんが、かなりの部分で、我々の目指す姿が実現できたと思っています。

さらに、この新しい中計では、その先を目指して、新しい社会の変化、構造の変化に基づきまして、そういった人たちに迎えれるような、本当に社会に必要とされるような存在となって頑張っていこうということでございます。

<GO GREEN 2022の全体像>
GO GREEN 2022の全体像

GO GREENは意味がありまして、我々の事業ビジョンは、「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」ですけども、そこが、お客様もお取引先も社員も三位一体となって魅力的なスーパーマーケットを作ろうして、お客様の視点からすると、「そうだ、サミットに行こう」「サミットがあって良かった」という存在を目指そうと思ってました。

GOの後のGRENNは、サミットのコーポレートカラーを表しています。つまり、「そうだ、サミット」に行こう=GO GREEN、GO サミットという意味も掛けています。さらに、社会に必要とされるということは、社会課題に向き合って行くことになる。

元々は店舗を起点にいろんなことをやって参りました。例えば、簡便化・即食化・小容量化、すべて少子高齢化だとか社会のライフスタイルの変化に基づいて、社会の変化に基づいて対応して参りました。

さらに、これからは高齢化、コミュニティの断絶、こういったことが益々、進むなかで、ご高齢の方々にとっても、必要される場所。これは、案内係を見ていただくと分かりますが、お客様に徹底的に向き合って、お客様に必要される存在。話し相手にもなる、地域の相談役にもなる。そして、居心地の良い場所になる。こういうことを目指していくことになる。それが、我々の考えている社会に対する課題の解決だと思っています。

もう一方で、環境問題についての対応が求められています。レジ袋の有料化も始まりますけども、待ったなしで環境に向き合っていかなければならない。GO GREENのもう一つの意味は、GREENですから環境です。環境にも向き合って行くことです。そういうことを宣言するのが、このGO GREEN 2022です。

三年間で、それぞれゆっくりではございますけども、階段を登っていって、必ずや社会に必要とされる存在に我々はなっていこうと思いまして、このタイトルとした。もう一つ、さらにGREENの中には、健康ですとか、快進撃とか、さまざまな言葉の意味が込めらてまして、いま代表的な二つを説明しました。そういったさまざまな思いがGO GREENに含まれていて、それが社内でみんなに腹落ちして、4月を迎えています。

前回の創革2019は、「Challenge to Change」「Challenge to Create」「Challenge to be the One」とあったんですけど、我々は成長をしてきましたので、次の中計というのは、「Commitment to Change」「Commitment to Create」「Commitment to be the One」つまり、約束をする。お客様に対しても、社会に対しても、約束をするという強い意志が、ここに込められている。こういったことを三年間に分けて、着実に服部新体制の下、進めて参りたいと思います。

<GO GREEN 2022スケジュール>
GO GREEN 2022スケジュール

■事業ビジョン「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」追求

服部社長 内示を竹野からもらった時は、とてもびっくりしました。本当にびっくりはしましたが、竹野方からありました通り、「監督と執行を分ける」ことを含めて、まったく違和感のない感じで話を聞くことができました。

元々、竹野、それからもう一人の専務の田村、そして私の三人でトロイカ体制のような形で、数年の改革を進めてきたということもありました。社内とか、取引先の方には、お話をしてるんですが、みんながひと目盛あがるような感じで、竹野が住友商事に戻りはしますけど、会長職として、いままで同じように、会社の方向性とか取り組んでいくことについて関わっていく形になりますし、それに基づいて私と田村が、オペレーション統括、商品統括も兼ねながら、やっていくことになると思います。

抱負としては、目指すものも決まってますし、目指し方も何となく分かってきて、そして手応えもすごくあるという状態の中で、大きく何かを変えていかなければならないとか、何か変革をしなきゃいけないとかという話ではないと思います。ひと言でいうと、きちんと継承して、さらに進化をさせるということになります。

もう少し詳しくお話をすると、私は、サミットのいまの事業ビジョンを作った時に、自分でいうのもなんですが、「とってもいい事業ビジョンだな」と。なんかワクワクする感じとか、沸き立つような感じがとってもあって、いい事業ビジョンだなと。

それ以降、いろいろな場面、社内の会議とか、意思決定のいろんな場面で、必ず事業ビジョンとの関係性を考えながら、発言をするようにずっとしてきました。従って、それが事業ビジョンに基づいて考えた時に、どうなんだろう。やるべきか、やらないべきか。果たして、そのやり方はいいのかどうか、という風に考えるようにしました。

社長となってさらに進めていきたいのは、やはり、すべてのサミットの活動が事業ビジョンの実現につながるようにしていきたいと思います。これができれば、それぞれの活動、一人一人の社員のいろんな取り組みが全部、事業ビジョンの力になっていく。ロスなく力になっていくことによって、もっと多分、素敵な会社になっていけるんではないかなと思います。

■楽しいにこだわり、技術とスキルのある集団に

その中でも、「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」ですので、やっぱり楽しいってことにこだわっていきたいなと思っています。

本当にいまの時代は、モノからコト価値と言われる、この話は相当昔からいわれてましたが、いよいよ本格的にそういう時代がきたんだなという感じが、最近、いろんな現象として感じられるようになっています。

さらに言えば、コト価値というのは、楽しさ価値みたいなところではないかなと。食事の用意をするとか、スーパーマーケットで買い物をするといった時にも、やっぱり楽しさを求めているお客さんというのが、すごく多い。いま我々が、作っているお店のお客様の声を聞いていると、本当にそう思う機会がすごく増えています。

それが、なぜ実現できるようになってきているかというと、社員が楽しみながらお店で働けるように、だんだんなってきていることなんだろうと思います。社員が楽しみながら、お店を運営して、そこに来ていただけるお客様が楽しんでいただけるというのが、本当に理想的なことなんだろうと思います。そこをもっと追求していこうと思います。

ただし、楽しむためには、やっぱりちゃんとしたスキルと正しい技術というか、そういったものが必要なんだろうと。無秩序の中で、どうでもいいから楽しめばいいという話ではないと思っている。世の中の多くの一流のスポーツも、やっぱり一定の技術、ちゃんとした技術があって、プレーが楽しい、仕事が楽しいということになっている。そして、見ている観客も楽しいということなんだろうと思います。正しい技術、きちんとしたスキルを持って楽しめるような集団を目指していきたいなと思います。

それを支える共有とリスペクトという、サミットとして取り組んでいるところで、裏付けをしていくということが、個店経営の実現につながると思ってます。さらに、いえば、それを一人のカリスマとか、ごく一部の社員が実現するのではなくて、サミットで働く一人一人の社員の力の総和で、それを実現していくというのが、サミットらしいやり方だと思います。個々の能力、個性の総和で本当に楽しいスーパーマーケットを実現していくというのが、サミット流だろうと思っています。

正しい技術とかきちんとしたスキルも含めて、いままで我々の会社が、世の中に特に噓のない経営、仕事というような経営理念も含めて、やってきたこと。それから、我々の強みの源泉のようなところも社員に再確認しながら、そこをきちんと維持する。まさにそこが、オペレーティングシステムになってる。そのオペレーティングシステムの上で動いている、お店という楽しいアプリケーションがもっと楽しくなるようにしていきたい。

■部門横断、超横連携に全社で取り組む

「GO GREEN 2022」なんですが、我々は、ハイタッチなお店を目指すということは、幹部社員で紡ぎだした言葉ですので、ハイタッチを戦う土俵として決めたのであれば、当然のごとく普通にただ単に、食品の小売業、スーパーマーケット業だけで済む話ではないので、ある意味、必然であるし、我々の使命であると思います。

その中で、いろんな環境の取り組みとか、やってますけども、なかなかそれが、さきほどお話したように、事業ビジョンとの関係性の中とかで、整理されていなかったり、少しバラバラ感があったりするので、そこをまたまとめていって、そういう部分でも事業ビジョンの実現に、そういう側面からもつながっていく整理をして、ベクトルを定めて、一生懸命やっていくということが、これからやって行かなければならないことかなと思ってます。

やっぱりスーパーマーケットのお店というのは、地域との共生という意味でいうと、CSV経営とか言われますけど、非常に親和性が高い業態、商売だと思っています。そこを追求することが、まさに環境のため、もっと大きく言えば地球のためになることもありますので、そんなことも社員にきちっと語り掛けながら、我々がやってることに、すごい意味があって、それを誇りに思って仕事ができるってことが、また、やりがいにつながっていくのかなと思います。

最後、我々の強みである超横連携という、部門横断とか、横串を刺すとか。これについても、商品部、お店のだいぶレべルが上がってきて、いろんなことができてますけど、経営陣も含めて、全社で超横連携というのを、やっていきたい。たまたま、去年2019年の商品統括としての商品部に対するキャッチフレーズが、「隣の芝生を」ではなく、「隣の芝生も青くする」というものでした。

自分ところの部門が、良い感じで回るようになったら、隣の部署のことも考えて、一緒に連携をして一緒に良くなっていこうというキャッチフレーズでやってきましたんで、ここは、全社にそれを広げていきたいなと思っています。

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