流通ニュースがまとめたイオングループ主要各社労働組合の賃上げ状況(UAゼンセン速報値)によると、イオンリテールワーカーズユニオン正社員総額1万5061円(5.03%)・短時間総額71.9円(7.00%)、イオンモール労働組合正社員総額2万970円(6.25%)、短時間総額79.80円(7.05%)など多くの労組で3月9日現在、正社員5~6%、パート従業員7%以上と満額で妥結した。
<賃上げパート7%、正社員5~6%を獲得>

流通、外食などの労働組合から組織されるUAゼンセンでは、3月3日12時時点で、正社員組合員460組合、短時間組合員204組合、契約社員組合員87組合、合計103万人強が要求書を提出したとしている。正社員組合員の要求は加重平均で総合計(制度昇給、ベアなど込み)1万5006円・5.16%、短時間組合員時給66.1円・6.35%を目標としており、正社員、短時間組合員ともにUAゼンセン結成後(2012年11月)以来、最も高い水準となっている。
イオングループの各労組では、2月22日のイオングループ労働組合連合会オールサンデーユニオンを皮切りに、短時間組合員、正社員組合員ともに、おおむねUAゼンセンの目標値を上回っている。
なお、2月の妥結はUAゼンセン結成後最速だという。
<イオングループ主要労組の妥結状況>
労組名 |
正社員 |
短時間 |
総額 |
引き上げ分 |
総額 |
引き上げ分 |
オールサンデーユニオン |
14,706円
(6.16%) |
9,886円
(4.14%) |
62.20円
(7.01%) |
53.10円
(5.99%) |
イオンリテールワーカーズユニオン |
15,061円
(5.03%) |
11,404円
(3.81%) |
71.9円
(7.00%) |
65.5円
(6.38%) |
オリジン東秀ユニオン |
17,350円
(5.53%) |
11,066円
(3.53%) |
85.0円
(7.40%) |
41.0円
(3.57%) |
イオン九州ユニオン |
13,007円
(5.00%) |
10,599円
(4.08%) |
69.2円
(7.00%) |
65円
(6.57円) |
マックスバリュ西日本労働組合 |
13,122円
(5.33%) |
9,756円
(3.97%) |
67.0円
(7.00%) |
43.2円
(4.51%) |
ビッグ・エーユニオン |
16,445円
(6.73%) |
13,063円
(5.35%) |
74.9円
(7.09%) |
73.0円
(6.91%) |
イオンモール労働組合 |
20,970円
(6.25%) |
10,070円
(3.00%) |
79.80円
(7.05%) |
69.40円
(6.13%) |
イオンディライト労働組合 |
16,639円
(5.97%) |
ー |
85.70円
(7.01%) |
70円
(5.72%) |
イオン北海道労働組合 |
14,204円
(5.47%) |
9,575円
(3.69%) |
72円
(7.01%) |
68.30円
(6.65%) |
マックスバリュ東海MYユニオン |
14,212円
(5.00%) |
8,533円
(3.00%) |
77.63円
(7.00%) |
72.37円
(6.53%) |
イオンタウンユニオン |
21,356円
(6.32%) |
10,528円
(3.12%) |
84.30円
(7.50%) |
60.50円
(5.38%) |
イオンファンタジー労働組合 |
18,269円
(5.87%) |
13,977円
(4.49%) |
77.70円
(7.03%) |
54.40円
(4.92%) |
アルティフーズ労働組合 |
14,500円
(5.20%) |
12,193円
(4.37%) |
91.90円
(7.06%) |
81.90円
(6.30%) |
ダイエーユニオン |
13,474円
(4.29%) |
9,424円
(3.01%) |
76.30円
(7.00%) |
73.50円
(6.75%) |
イオン保険サービス労働組合 |
17,638円
(6.44%) |
9,372円
(3.42%) |
87円
(7.03%) |
71.40円
(5.77%) |
イオン東北労働組合 |
14,509円
(5.46%) |
8,601円
(3.23%) |
66.80円
(7.09%) |
57.50円
(6.10%) |
イオンフードサプライ労働組合 |
14,178円
(4.67%) |
9,647円
(3.17%) |
84円
(7.24%) |
68円
(5.86%) |
イオンペットユニオン |
13,514円
(5.39%) |
8,497円
(3.39%) |
80.57円
(7.01%) |
62.48円
(5.44%) |
イオンビッグ労働組合 |
15,600円
(6.00%) |
10,400円
(4.00%) |
74.20円
(6.99%) |
67.90円
(6.39%) |
リフォームスタジオ労働組合 |
19,688円
(6.00%) |
ー |
80.50円
(7.10 %) |
70円
(6.17%) |
イオンコンパス労働組合 |
17,291円
(6.33%) |
ー |
ー |
ー |
※3月9日現在
3月9日行われたUAゼンセンの記者会見で松浦昭彦会長は、「2月から始まったイオングループの早期回答は、業界全体に大きなメッセージを出してもらった。人への投資はこれからの経営に欠かせない」としている。
また、波岸孝典 流通部門事務局長は、「イオングループの早期妥結は昨年、労働協約を設定し、人権、SDGsなど含め、個社ではなくグループ全体で、大きな経営課題として労働条件をとらえていることが大きかったのではないか。個社の業績はあるものの、約56万人も従業員を抱える大企業として、社会的要請に応えるものでもあった。これを先行事例に、他社でも、労働協約といったものを定める動きは広めていくべきだと思っている」と述べた。
UAゼンセンは3月8日17時の時点で、18組合・24万人強において、妥結総合計が正社員組合員1万5274円(5.28%)、短時間組合員72.4円(7.01%)といずれも満額で賃上げが妥結していると発表している。
UAゼンセンは2022年9月現在、2218組合(製造:920、流通:527、総合サービス:771)、組合員185万2818人(製造:18万8870人、流通:113万4497人、総合サービス:52万9440人)となっている。
雇用形態別内訳は正社員73万4827人(39.7%)、短時間社員111万7991人(60.3%)。
■UAゼンセン
https://uazensen.jp/
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