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セブンーイレブン/60億円投資、デリカ専用工場に野菜工場を併設

セブン‐イレブン・ジャパンとプライムデリカは11月28日、セブン‐イレブン向け商品の専用「野菜工場」を2019年1月から稼働すると発表した。

<相模原ベジタブルプラント>
相模原ベジタブルプラント

プリマハムのセブンーイレブン向け惣菜製造会社であるプライムデリカが2017年3月に神奈川県相模原市で稼働させた「相模原第二工場」に「SagamiharaVegetable Plant(相模原ベジタブルプラント)」を新設したもの。

<相模原第二工場>
相模原第二工場

総投資額は約60億円、施設は6階建てで延床面積は7872m2、栽培室は1室約340m2を合計11室設置し、約3740m2でリーフレタスを生産する予定だ。

2019年1月に第一期の工場稼働を行い、2020年3月末を目途に第二期工場稼働をさせ、フル稼働する計画だ。

<古屋社長(左)と齊藤社長(右)>
古屋社長(左)と齊藤社長(右)

セブンーイレブン・ジャパンの古屋一樹社長は、「国内の農業就業人口の減少や異常気象による生育不良などで、良質な原材料を安定して供給するのが難しい時代となっている。相模原ベジタブルプラントができたことで、安心・安全だけでなく、環境への取り組みの大きな第一歩となると、大きく期待している」と述べた。

プライムデリカの齊藤正義社長は、「天候不順による葉物野菜の品質悪化と価格上昇が発生し、製造コストが年々悪化し、良品製造にも影響している。野菜の安定供給を目指し2012年から野菜工場の検討を開始し、玉川大学と安川電機の協力を得て野菜工場を完成させることができた」と述べた。

<LED光制御技術でビタミンCを増加>
LED光制御技術でビタミンCを増加

工場では、玉川大学との共同開発技術であるLED光制御技術を活用した高付加価値な野菜の生産を本格的に実施するとともに、安川電機による自動化技術を、種まきから収穫までの全工程で取り入れることで生産体制の効率化も図った。

<種まき作業を自動化>
種まき作業を自動化

LED光制御技術を活用した結果、一般的なリーフレタスの約2倍のビタミンC含有量を実現した。露地栽培では約70日の栽培日数を32日に短縮した。

自動化技術を導入したことで、同規模の工場であれば80人必要な人員を20人まで削減した。

現在、種まきと収穫を手作業で行っているが、収穫の自動化や自動搬送ロボットの導入を検討しており、2020年3月末までに、さらなる自動化を進める計画だ。

<カット野菜やサラダに商品化>
カット野菜やサラダに商品化

美味タス(レタスとリーフレタスの混合種)、フリルアイス、イノベーションレッドグラスの3種類のリーフレタスを製造。

食品製造工場に直結しており、収穫後の野菜を外気に触れることなく直接供給ができるのが特徴で、閉鎖された環境での生産のため、天候気温に左右されず安定的な収穫ができる。

虫や病気の心配がなく、無農薬栽培が可能となり、最終商品であるサラダやカット野菜の消費期限も延長できる。

収穫後、24時間以内に商品化し、48時間以内にはセブンーイレブンの店頭へ出荷することが可能だという。

<栽培品種>
栽培品種

第一期では1日当たり300~400kgのリーフレタスを出荷、フル稼働時には1日当たり約3tのリーフレタスを出荷する計画だ。

製造したリーフレタスは、セブンーイレブンで販売するサラダとカットサラダに加工する。

神奈川県内の一部店舗から商品を販売する予定で、フル稼働時には、神奈川と西東京を中心とした都内の一部店舗の約2000店に商品を供給する計画だ。

<デリカ工場と連結し製造コストを削減>
デリカ工場と連結し製造コストを削減

天候不順に左右されずに野菜を製造することができるが、1株あたりの製造コストは、露地栽培の野菜を上回る。

今回は、デリカ工場に野菜工場を併設したため、製造した野菜は専用通路でデリカ工場へ直接、出荷される。

産地から工場までの物流コストが削減できるほか、検品や洗浄といった手間、廃棄ロスの削減ができるため、工場トータルで見た場合は、コスト削減ができる仕組みとなっている。

<開発中の品種>
開発中の品種

齊藤社長は、「第一期稼働の段階で、我々が目指したレタスの品質を実現できるのかをしっかりと検証したい。2020年春の第二期稼働を含めて、コスト構造などを検証した上で、次の野菜工場を計画したい」という。

現在、ほうれん草、いちご、パクチーの栽培についても実証実験を行っている。製造が安定すれば、サラダ、カット野菜のほか、サンドイッチなどの他の商品でも野菜を活用する。いちごの製造が実現すれば、スイーツの生産にも活用する予定だ。

<野菜自動生産室>
野菜自動生産室

プライムデリカの資本金は1億円で、プリマハムとセブンーイレブンが株主となっている。プリマハムの議決権比率は58%。

現在、セブンーイレブンは、競争原理により良い商品を調達するため、専用工場へ直接、投資しない方針をとっている。

今後の専用工場への投資について古屋社長は、「専用工場は、セブンーイレブンの成長=ベンダーの成長につながっている。良質なものを作るにはそれなりの設備投資が必要となる。ただ、投資に対して本部として資金供給するのか、バックアップするのかは、一つ一つの案件に対する検討であって、現時点で決まっている方向はなにもない」と述べた。

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