そごう・西武/AIカメラで顧客の行動分析、20代は食品ついで買いの傾向
2023年07月14日 13:18 / IT・システム
そごう・西武は7月14日、そごう大宮店にて行ったAIカメラを活用した、来店顧客の行動分析実験の結果を発表した。
2022年4月より、AIカメラによる実証実験を開始し、顧客の数の把握と属性(性別・年代)を推定する取り組みを始めた。
今回の実証実験ではそれに加えて、来店当日のフロアをまたいだ移動履歴(店舗内の位置、買い回りの順序、滞在時間)を分析した。
今回の実証実験は、そごう大宮店のメイン入り口である2階正面入り口と、集客力の高い食品売場のある地下1階および7階催事場に計19台のAIカメラを設置。これにより、来店目的が食品フロアへの目的購買なのか、非目的購買(ついで買い)なのかなどを可視化したという。
フロア間行動分析の結果、20代の約7割が上層階の他の売場を経由して食品売場に来ていたことがわかった。
30~60代は上層階を経由して食品売場に来たのが、3~5割だったことと比べると大きな違いとなっている。
このことから、20代は食品売場以外のフロア(上層階のロフトなどの専門店や化粧品売場)を目的として来店し、ついでに食品フロアに立ち寄る「非目的買い」の傾向が強いことが推測される。
今後は、店内を回遊する20代のついで買いをさそう仕掛けを実施すると同時に目的を持って食品フロアに来店してもらうために、20代に向けた品ぞろえや催事を開催することで、若年層顧客の取り込みを目指すことが有効と考えられる。
今回の分析結果をもとに、さらなる品ぞろえ・店舗レイアウトの改善につなげ顧客体験価値の向上につなげていくとしている。
なお、西武池袋本店7階 催事場で、2022年10月から実施した顧客の数と 属性(性別・年代)を推定する 実証実験では、毎年開催している「京都名匠会」に訪れた人の3割近くが30代以下であることがわかった。
今まで物産展はメンバーズカードの対象外という事もあり数字としての購入者データがなく、年配者が多いと感覚的に想定していた。
しかし、実際は若い年代も来場しているという新たな発見があった。この結果を踏まえて、若年層がより京都名匠会を楽しめるよう、抹茶のスイーツを用意したり、映えやすいものを取り入れたりしようといったアイデアが出ているという。
今回の実証実験はIdein社の技術を採用。同社が提供するエッジAIプラットフォームActcastを活用することで、取得した情報をAIカメラ内での処理が可能となった。
そのため解析結果はテキストデータのみとなるため、顧客のプライバシーにも配慮したデータ収集で個人を特定せずに情報を活用することができる。
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