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消費税増税/日用雑貨・化粧品の駆け込み需要、2014年並みに発生

2019年10月09日 17:00 / 販促

インテージは10月9日、国内最大規模の消費者パネル、SCI(全国消費者パネル調査)の購買データをもとに、10月1日から実施された消費税増税を前にした、日用消費財の駆け込み需要の発生状況を発表した。

日用消費財全体としては、前回の2014年4月1日の増税時ほどの駆け込み需要は見られなかった。軽減税率対象外の日用雑貨品、化粧品、ヘルスケアでは前回並みに購入金額が増えた一方で、対象となるものが多く含まれる食品・飲料が5年前に比べると伸びなかったことが大きな要因となった。

今回の増税は、食料品などで軽減税率が初めて導入された。期間限定で対象店舗で、キャッシュレス決済を利用すると代金の最大5%がポイント還元されるなど消費の平準化への施策があることも影響した。

■「日用消費財」前回増税時ほどの駆け込み需要は起こらず

前回までの増税時に、特に駆け込み需要が大きかった日用消費財ですが、購入金額を前年同時期と比べると、2週前で15%増、1週前で30%増となった(図表1)。

2014年の時は22%増、39%増と大きく増えていただけに、ある程度の駆け込み需要は起こったものの、前回には及ばないことが分かった。

<図表1.日用消費財の購入金額の推移(19年VS14年)>
図表1.日用消費財の購入金額の推移(19年VS14年)
出典:インテージ発表資料(以下同じ)

■日用雑貨、化粧品、ヘルスケアは前回並みの駆け込み需要

軽減税率の適用がないカテゴリーでは、増税開始日が近づくにつれて、前年同時期に比べて大きく購入金額が増えた。

日用雑貨品では4週前から27%増、29%増、48%増と数字を伸ばすと、1週前には93%増と前回の79%増を超えた(図表2)。

<図表2.日用雑貨品の購入金額の推移(19年VS14年)>
図表2.日用雑貨品の購入金額の推移(19年VS14年)

また、化粧品が31%増、53%増、62%増、104%増(図表3)と右肩上がりとなると、ヘルスケアも12%増、22%増、32%増、50%増(図表4)となり、前回増税時とほぼ同水準の駆け込み需要があったことが分かった。

<図表3.化粧品の購入金額の推移(19年VS14年)>
図表3.化粧品の購入金額の推移(19年VS14年)

<図表4.ヘルスケアの購入金額の推移(19年VS14年)>
図表4.ヘルスケアの購入金額の推移(19年VS14年)

■軽減税率対象を含む食品・飲料は、前回に比べ駆け込みが大幅減

一方で、軽減税率対象を含む食品・飲料は、前回に比べ駆け込みが大幅に減少した。増税4週前から前年同時期に比べると、2%増、2%増、4%増、11%増と1週前に入ってようやく大きな伸びが見られたが、前回の4%増、7%増、12%増、25%増に比べ購買の伸びが鈍かったことが分かった(図表5)。

今回から導入された軽減税率の対象となるものが多く含まれるこのカテゴリーは、10月からも基本的には税率が変わらないため、駆け込み需要があまり起きなかった。

<図表5.食品・飲料の購入金額の推移(19年VS14年)>
図表5.食品・飲料の購入金額の推移(19年VS14年)

■アルコール飲料は前回並みに購買金額が伸びる

食品・飲料のカテゴリーは全体的に伸び悩んだが、その中で大きく購入金額が増えたのがアルコール飲料。増税4週前から見ると9%増、18%増、20%増、63%増と、前回とほぼ同程度(8%増、19%増、27%増、60%増)の伸びを示した。

軽減税率の対象外となることが広く認知されていただけに、少しでも安い時に買っておきたいという、一部生活者の気持ちを反映する結果になったことがうかがえた。

<図表6.アルコール飲料の購入金額の推移(19年VS14年)>
図表6.アルコール飲料の購入金額の推移(19年VS14年)

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■消費税増税に関する自主企画調査の記事
https://www.intage.co.jp/gallery/zouzei2019-2/

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