流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





ローソン/デリバリー事業拡大、売上10万円越えの店舗も

2024年04月19日 17:08 / 経営

ローソンは4月19日、同社のデリバリー事業の取組について、メディア向けの説明会を開いた。2019年にローソンで「Uber Eats」の導入を初めて以降、デリバリープラットフォームの拡大を推進。2024年4月4日時点で、「Uber Eats」を始めとする配送サービス(ほか「Wolt」、「menu」、「出前館」)の導入店舗数は5671店舗に上る。

今年度の取組として、店舗在庫と各配送アプリの「自動連携機能」を導入した。現在、「Uber Eats」、「Wolt」、「menu」で連携済み。これまでローソンのデリバリーでは、店舗スタッフが商品の在庫有無を確認してアプリへの反映を行っていたが、手作業のため反映の遅れ・漏れなどが発生し、注文通り商品が届けられないこともあったという。

店舗在庫とアプリのシステム連携によって、自動で在庫している商品がアプリに反映されるようになり、配送精度の向上につなげた。加えて、店舗での在庫確認作業が9割も削減したことで、オペレーション負荷も解消。デリバリーの取り扱い商品数を増やせるようになった。

配送サービスのうち、最大の導入店舗数を誇る「Uber Eats」では、今年度中にデリバリー対応商品数を約700品目から3000品目まで順次、増やしていく。

<吉田執行役員>
ローソン 吉田執行役員

吉田泰治 執行役員 インキュベーションカンパニー プレジデントは「デリバリーの課題として、注文した商品が届かない『欠品』の発生があった。まずは顧客にとって負のイメージを払拭するためサービスの改善を進めている。(「Uber Eats」対象の)商品のラインアップについては、1~2四半期(5月から8月まで)を目安に3000品目まで拡大させたい。

コンビニエンスストア業態でも、商品を配送してほしいというニーズは今後も高まるだろう。タイパ重視・買い場の減少・高齢化の3つの理由から、デリバリー市場はまだまだ伸びると考えている。売上目標は非公開だが、配送による1日の売上が10万円を超える店舗もあり、売上構成の2割がデリバリーである店も増えてきた。注文総数はエリア人口に比例するが、郊外でも件数は取れている。

我々は商品を最短15分で届けることを目指す。大手のECはセンター型倉庫から配送するが、我々がやろうとしていることは店舗を在庫の拠点にするという考えだ。各店舗1~1.5km圏内なら注文から15分以内での配送が物理的に可能だ。そのためにもまずは、エリア内の空白地帯を無くす必要がある。店舗同士がカバーできるよう出店を拡大し、都市内でのクイックコマースを加速させる」と述べた。

<利用者は夕夜間に多い>
ローソン デリバリー利用動向

同社によると、デリバリーの利用者は夕方から夜間にかけて多く、深夜帯も一定のニーズを得られている。注文数は週末に大きく伸長する傾向にあるという。

吉田執行役員は「20時以降の注文が多く、24時間営業の店舗では、深夜の時間帯でも注文が入る。リアルの来客とアプリ注文の山場が違うため、常に一定の注文が入り続けている。週末はホームパーティ需要も増えてきた。また、デリバリーは気温の影響を受けるサービスでもあると思う。雨だとニーズが跳ね上がりやすい」と話す。

<人気商品はファストフード>
ローソン フライドフーズ
ローソン ランキング

人気商品の上位はファストフードだ。デリバリー限定商品である大容量サイズの「からあげクン」などが売れており、リピート率も高いという。

吉田執行役員は「ゴールデンウィークや夏場、スポーツイベントで多くなるテレビ観戦需要で、『BOXからあげクン』や酒類など、動きやすい商品カテゴリを今後も伸ばしたい」と語った。

■ローソンの関連記事
ローソン/「Uber Eats」の導入5000店舗達成

関連記事

経営 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧