農業の倒産/23年度81件発生、きのこ生産者で目立つ
2024年06月10日 15:12 / 経営
帝国データバンクの「農業」倒産動向調査によると、肥料価格や原材料高を背景に倒産が急増し、2023年度は過去最多の81件発生した。
集計期間は2024年5月31日まで。集計対象は負債1000万円以上の法的整理による倒産となる。
2023年度は、2000年度以降で最多となる81件を記録し、それまで最多だった2022年度(64件)から26.6%の大幅増となった。
「野菜作農業(きのこ栽培含む)」(24件、前年度比118.2%増)、「施設野菜作農業(きのこ栽培含む)」(13件、同160.0%増)の急増が全体を押し上げた。きのこの生産業者の倒産が目立ち、負債額でも上位を占めた。
原因として、肥料やおがくずなど野菜・きのこの生産に関わる原料価格の高騰、生産施設維持に関わる燃料費の高止まりが続き、収益が圧迫されたとみている。
2024年度に入り4月の件数は1件にとどまったものの、5月は10件と単月としては過去4番目の高水準となった。また、負債総額は124億5500万円で、神明畜産やイセ食品グループの大型倒産が発生した2022年度(867億1400万円)と比べると減少したものの、単月としては過去7番目の水準だった。
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