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ファミリーマート 決算/2月期は人流・インバウンド回復やPB好調で事業利益過去最高更新

2024年04月10日 15:40 / 決算

ファミリーマートが4月10日に発表した2024年2月期連結決算によると、営業収益5078億1200万円(前年同期比10.0%増)、事業利益837億6300万円(30.8%増)、親会社株主に帰属する当期利益518億5500万円(50.9%増)となった。

<細見社長(中央)>

細見研介社長は、「2023年度は、前年度に引き続き円安やインフレが継続したため、原材料価格や電気料金などのコストの上昇が顕著だった。一方で、需要面では、5月のコロナ5類化、以降の人流の回復に伴った消費回復と円安を背景としたインバウンドの急拡大、これらが追い風となった。加えて、夏から年末にかけて平年を上回る高気温が続き、飲料やアイス製品などの販売を大きく伸長させた。全店平均日商は56万1000円。既存店前年比は5.3%増、客数は3.3%増、客単価は2.0%増となり、全ての指標で前年を大きく上回った。この結果、この事業利益は837億円、当期利益利益では518億円という結果となり、事業利益では最高益を更新した。加盟店利益でもコロナ前の2019年度との比較で20%超増加し、過去最高益となった。高決算を背景に、賞与を含めた年収ベースで7.1%の賃上げも決定した」と業績概況を解説した。

商品面では、おいしい、嬉しい、安心を追求するプライベートブランドのファミマルを中心に、 インフレが進む状況下で価格以上の価値を提供する商品開発にこだわり、お客の支持を得た。生コッペパンのヒットもあった。また、コンビニ業界では初めてのファッションショーであるファミフェスを代々木体育館で開催した。コンビニエンスウェア、SDGs関連商品の提案を通して、次世代のコンビニのコンセプトを打ち出し、顧客のインサイトに訴えるブランディングを継続して実施した。その結果、プライベートブランド比率は、2024年度で目標とする35%を前倒しで達成した。

新しい領域である広告店舗メディア事業では、デジタルサイネージ1万店舗への設置を完了し、1日1000万人が視聴する店舗メディアを創出した。 メディア会社であるゲート・ワン社と、広告IDを保有し広告代理業を推進するデータ・ワン社を中核に、 リテールメディア領域で、メディアを利用する体制を構築できた。2024年度は、ダウンロード数が2000万となった自社アプリファミペイや外部のメディアとも連携を推進し、 リアル店舗とデジタル双方でお客とつながれるカスタマーリンクプラットフォーム構想を推進する。

デジタル投資の面では、新しいストアコントローラーの全店への導入が完了いたしました。また、店長を支援する人型AIの導入は5000店舗を超えた。物流コスト低減や 発注コンサルティング、掃除や商品陳列までの幅広い領域で、デジタル活用が実用のフェーズに入った。海外事業では、中国におけるパートナーシップの再構築にめどがついた。2024年から、アジア、中国を中心に店舗開発を再度加速する予定だ。

元日の能登半島地震では、直後に200店舗が休業したが、順次営業を再開し、現段階では一時休業を余儀なくされている店舗は3店舗であり、業績への影響は軽微だった。今後も引き続き被災地の復旧に貢献する。このように、中期経営計画の2年目となる2023年度は、 コロナ禍を乗り越え、低量面、低性面ともに再成長に向けた取り組みを着実に進めることができたという。

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