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すかいらーく/「Shopらん」導入によるデジタル化で店舗の負担軽減

2019年09月17日 13:30 / 流通最前線テクノロジーズ

すかいらーくグループは2018年6月から、「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」「夢庵」「ステーキガスト」など20以上のブランド全店にドリームアーツの本部・店舗間コミュニケーションツール「Shopらん」を導入し、稼働させている。

<鈴木氏、西田氏、久永氏>
鈴木氏、西田氏、久永氏

その導入を担ったのが、IT本部情報システムグループ本部システムチームの鈴木将則氏、西田忠之氏、すかいらーくレストランツの営業サポートグループ営業政策チームの久永進氏の3氏だ。

すかいらーくは2018年12月、社内新組織としてIT本部を設立。同組織を中心に、デジタルテクノロジーを駆使し、外食業界屈指のデジタル先進企業となることを目指している。

特に顧客・従業員満足度を上げ、従業員の業務負担を減らし、顧客との接点となるフロアのサービスを充実させるための、デジタル化が課題となっていた。

そこで、業務負荷軽減のため、本部~店舗の連絡、コミュニケーションのデジタル化に本格的に取り組み、2018年6月、「Shopらん」を導入。システム変更1年で、本部~店舗のコミュニケーションが大きく改善されたという。

<「Shopらん」イメージ>
Shopらん

「Shopらん」は、流通・小売業の本部・店舗間のコミュニケーションに特化したクラウドサービス。エリアマネージャー・本部から発信される施策・指示など情報を一元化、指示の作成方法をテンプレートで標準化でき、店舗の実施状況、成功店舗の取り組みなどが店舗に訪問しなくても確認が可能なシステムとなっている。現在グループ2800店、約10万人が利用している。

久永氏は、「店舗スタッフの業務負担を軽減し働きやすい環境を目指すことで、お客様によりよいサービスをお届けすることに注力できることが重要。新システム導入前は、本部からの通達の伝達度が店によってばらつきがあり、作業実施の確認業務の徹底も時間がかかったが、導入1年で、エリアマネージャー、店舗ともに作業が減少している」。

「店舗の立地などにより、本部から店舗への通達が店により違う際、従来のシステムでは、指示の出し分けが難しかったが、Shopらんでは、送り先を特定の店舗やエリアなどに絞り込めるので、店舗は自店に必要な情報だけを受け取ることができる。店長による伝達の仕方の習熟度が違い、店舗スタッフは、高校生からベテランのシニアまで幅広いため、理解度も差があったが、デジタル化で、経験や勘に頼る部分が減った」と話している。

「Shopらん」の強みについて西田氏は、「API連携できるので、Shopらんから届く緊急通達をPOSレジに表示し、フロアにいても緊急通達にすぐ気付ける。入退社するスタッフのアカウントの管理もしやすい」としている。

発信された通達は、店舗で実施すべき具体的な作業指示に自動展開され、作業完了報告も店舗のワンタッチ操作でエリアマネージャー・本部に自動送信する。

すかいらーくグループが、従来利用していた店舗コミュニケーションシステムは、本部から店舗へのメニュー改定、消防点検など通知をワード・エクセルなどで、多ければ20枚程度の文章にまとめたものを送信。店舗でその通達を具体化する指示書を作成し、スタッフに周知しなければならなかった。

「Shopらん」では、作業内容や期日など明確化された通達が配信され、スタッフが各自システムの画面上で日々確認できるため、店舗での周知のための作業が削減される。

エリアマネージャーも、本部からの指示が実行されているか否か、画面上でリアルタイムに把握できる。店舗巡回時に以前であれば時間をかけていた作業完了確認業務が減り、その分店舗運営向上のための課題、スタッフ教育などに時間を使えるようになったという。

また、本部から店舗に発信した「お知らせ」の閲覧や作業実施、アンケートの回答状況を確認できる。エリアマネージャーは、担当店舗の作業状況をリアルタイムに確認し、迅速なフォローが可能。未実施・未回答の店舗に対する通達の再送も簡単にできる。

実際、導入約1年で、本部から店舗に指示のあった作業の期限内の完了報告がスピードも達成率もともに改善するなど、意思疎通の迅速化も実現している。

鈴木将則リーダーは、「店舗側のやることリストだけが並ぶシステムなどと違い、本部から徹底したい指示の閲覧状況を確認でき、作業も日単位で登録できるのが使いやすい。デジタル化で店舗のQSCを向上させ、10月に予定されている消費増税、2020年のオリンピックで大きな変化が予想される中、店舗の運営力向上を目指したい」と話した。

今後も、店舗運営のデジタル化による、業務効率化と働き方改革を推進。店舗コミュニケーションの改善に加え、タブレット型端末を活用したデジタルメニューブック、多様なキャッシュレス決済導入も進め、顧客、従業員ともに満足度の高い店舗運営を図っていく。

<鈴木氏、西田氏、久永氏>
鈴木氏、西田氏、久永氏

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