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ローソン/竹増社長「もう1回スイーツといえばローソン復権」

ローソン/竹増社長「もう1回スイーツといえばローソン復権」

「バスチー」「ザクシュー」「モチーズ」いずれもローソンが2019年にヒットさせた新感覚スイーツだ。ヒットの筆頭である「バスチー」は3月の発売から12月までに累計3200万個を販売、新商品累計24種類の販売数は5800万個以上に達した。今回、竹増貞信社長に、ヒット商品開発の背景や未来のコンビニの姿を聞いた。

コンビニスイーツの競争激化「スイーツといえばローソン復権」

――2019年バスチーなどスイーツのヒット商品が続きましたね。

竹増 10年くらい前に当社の「プレミアムロールケーキ」が発売され、コンビニスイーツという言葉が出てきました。「スイーツといえばローソン」と言われるようになった。ところが、ここ数年、各社がスイーツに力を入れ、スイーツはローソンだけじゃないぞという感じになってきた。そこで、2018年の年末くらいから「もう1回、スイーツといえばローソン」と言われるように、大きく力を入れました。

――どんな指示を出したのですか。

竹増 「とにかく、なんでも自由に作っていいよ」と。そうして出てきたのが「バスチー」です。バスチーは、ヒット商品番付にも取り上げられるほど、評価をいただきました。2019年秋からカプケというスイーツも展開しています。2019年は、スイーツといえばローソンということを、もう1回奪還するぞということで、非常にご評価もいただけたと思います。

――スイーツ以外の商品はどうですか。

竹増 だんだんお弁当という定食メニューのニーズが変化しています。ちょっとサラダを選びたい。あるいは五穀米が話題で、五穀米のおにぎりやサラダが欲しい。また、スープを飲みたいなど、選ぶ楽しみを感じていただくことが重要になっています。例えば、サラダやデリカも我々の課題として、どんどん開発する必要があります。

――店内調理の弁当・惣菜「まちかど厨房」の手応えは。

竹増 まちかど厨房の実施店舗は、今6000店となりました。まちかど厨房の商品が非常に評価をいただいています。「やっぱりお店で炊いたご飯は、ちょっと違う」ということが、しっかり伝わっています。お店で作ったお弁当、お店で炊いたご飯、こういう付加価値も今後、訴求したいと考えています。

――店内調理は加盟店の負担ではありませんか。

竹増 加盟店さんは商売なので、売れて、収益が上がると本当に一生懸命やっていただいている店舗が多いと感じています。まちかど厨房が評価され、これは、もう負けないということで、人手もかかりますが、注力される店もあります。

――人手不足の中で、店内調理の人員確保に課題はないのですか。

竹増 例えば、朝2時間だけ調理専任で働きたいという方は、結構いらっしゃいます。始めは、調理専任でも、仲間のクルーさんの接客を見られて、私も接客してみようと、レジまでやられる方もいます。調理専任の方がクルーさんとして定着する例は非常に多い。採用の入口としてもお弁当作るところから入るのは、オーナーさんの採用にとっても非常に有利で、良いところでもあります。

食品廃棄ロスへの対応「アナザーチョイス」は道半ば

――季節商品の予約販売はどうお考えですか。

竹増 季節商品は、ローソンも基本は予約販売になっています。一方で、お店のオーナーさんは、やはり季節感を出したい。「節分の時には手巻き寿司が欲しいよね」とか、通常のお弁当を発注するように、季節商品を用意されて、しっかりと売り切るオーナーさんもいます。

「やっぱり、暑い時期は、店頭にうなぎがあるのが私が思う季節感の作り方で、これが商売の原点だ」とおっしゃる加盟店さんもいらっしゃいます。そのため、「ロスが出ないようにしっかり売り切ってください、ロスになるなら予約で結構です」と申し上げています。

<アナザーチョイスを紹介する竹増社長>
アナザーチョイスを紹介するローソン竹増社長
※2019年5月17日編集部撮影

――食品廃棄ロスの新施策「アナザーチョイス」の評価は

竹増 正直申し上げて、売上とロス低減の効果が数字からは見られなかった。ただ、店長さん、オーナーさん、クルーさんのモチベーション的に、すごくよかったですね。「私たちの店で、子ども達の食事に貢献できることがあるのが分かり、すごく良かった」という声を、愛媛からも沖縄からもたくさんの方からいただきました。減らした食品ロスが経済的に子どもたちのサポートにもつながることがすごくエシカル的に、働く人たちの心に、響いたんですよね。

※アナザーチョイスとは、お客が商品期限の近い商品を購入すると、対象商品売上総額(税抜)の5%が、子どもへの支援の取り組みに寄付され、同時に、お客に対象商品合計金額(税抜)に対して100円につき5ポイントを還元する仕組み。期間限定で、愛媛と沖縄で実施した。

――今後の「アナザーチョイス」の展開はどうしますか。

竹増 是非、またやりたいと思います。加盟店さんからも、「付加価値のある取り組みはすごくいい。何か形を変えてやりましょう」という声があります。夏休み、春休み、冬休みのように、学校が休みの時に、給食がなくなります。給食がない時に食事に困られるお子様が増えると聞いています。長期の休みに合わせて、子ども達の食事につながるような取り組みを、ロス軽減とともにやれればと思います。

店舗立地を踏まえてデジタル活用「無人化」も選択肢に

――深夜無人の実験店舗の現状を教えてください。

竹増 横浜の実験店は、夜、店を開けるだけじゃダメと分かりました。店を無人で開けて、どうですかというのは、やっぱり、プロダクトアウト目線で、お客様目線じゃない。夜は、仕事帰りとかで、「家でお酒を飲むために買いたいとか」「ちょっと一服つけたから、タバコも欲しい」といったニーズがある。いまは、規制のために、お酒もタバコも買えません。お客様が欲しい商品が買えないと、お店の機能として十分ではありません。

一方で、二十歳以上の年齢確認は必要です。法律をしっかり遵守できるデジタル化、顔認証などを活用した年齢確認のやり方が認められる必要がある。お客様が必要なもの、買いたいものが買える状況にして初めて、無人であって、夜、お店を開ける価値がある。「人手不足の中、大変だね。でも、酒もタバコも買えないから来てもしょうがないな」というのが、お客さまの声ですよね。

――深夜の客数はどう変化しましたか

竹増 30人くらいのお客様がいまは、少ない時で5人、6人前後になってしまっている。競合に挟まれているお店でもあり、当然、「あそこのローソン、酒、タバコがないよと、じゃあ、手前であるいは先のコンビニに行こう」となります。そうすると、そこがお客様のコンビニになっちゃうということもある。やっぱり、お客様が必要なものを、お買い求めいただける。そういうことが、無人化にチャレンジする上でも大事だと思います。

――免許品の規制の緩和が必要ですか。

竹増 今の規制をデジタルでしっかり担保できる販売の仕方を構築して、それを承認していただきたいと思います。今の法律を変えて欲しいとかではありません。当然、二十歳未満には、酒・タバコは売ってはいけません。デジタルデバイスで、規制に対応する方法を考えていきたい。そうすると、実は、昼間のセルフレジでもそのデバイスがあれば、お酒とタバコをお客様にセルフで買っていただくこともできる。

いまの規制と販売の仕方は、ノンデジタル時代をベースにしている。接客して、「はい、年齢確認を押してください」と。押すことにどういう意味があるのかというオペレーションになっている。5Gが実用化され、遠隔手術とかも可能な時代に、「ちょっとボタンを押して下さい」というのはどうかと感じます。デジタルデバイスで、お客様にとっても、お店にとってもいい形の省力化ができると思っています。

――次世代のコンビニのイメージはどんなものですか。

竹増 コンビニは、昭和に生まれて、平成で大きく成長をしました。全国一律、標準化、どこのローソンにいっても同じです。でも、今後は、全国一律、標準化では、お客様に認めていただけるような価値をなかなか提供できないと思っています。大都会の超高層ビルのローソンと、北海道、九州のローソンが全く同じである必要ってあるのでしょうか。ほとんどお客様からして、価値を感じないんじゃないかと思います。

――確かに立地によって大きくニーズは異なりますね。

竹増 例えば、オフィスのある高層ビル内の店舗は、とにかく効率性ファーストです。忙しい時間の中で、いかに効率良く買い物して、さっと帰っていただくかが重要です。だから、レジもなくてもいいと思いますし、本当に顔認証、あるいは静脈認証で買い物が終わるということでもいいと思います。

一方、郊外は、これから超高齢化社会が進む。しかも超高齢者の方というのは、核家族で1人、2人で暮らされているような方々を、お客様としてお迎えする。郊外のお店は、高層ビルのお店と一緒でいいのかというと、やっぱり違うと思う。

――ビジネスマンと高齢者では求められる接客も違いますよね。

竹増 高層ビル内のビジネスパーソン向けの店舗を、郊外に出しても、「いや、どう使っていいのか分かりません」みたいなことになってしまう。また、実は、都会であっても、東京の品川区、港区、中央区には、高齢者がたくさんいらっしゃる。本当に狭い地域でも、お店ごとにお客様の使われ方って違います。いかに個店のお客様に寄り添ったサービス、商品、買い物シーンの提供ができるかどうか。こういったことが多分、今後、すごく問われてくる。

完全無人化する意図は、超高層ビル以外はありません。お客様のストレスを取り除くデジタルと接客のハートの部分が、いまのテーマになっています。

――デジタル技術はどのように活用するのですか。

竹増 店舗を支えるベンダー、物流センター、ロジスティクスという製造・物流のところは、デジタルを活用し非常に強固にしたい。店舗でも、使えるデジタルのメニューを用意して、店舗が選べるようにしたい。デジタルのメニューを選んで、街に1店1店違う花を咲かせるようにしたい。

昭和、平成と平準化、標準化で成長してきたモデルを、いかに令和の時代に、街にあった形で変化させていけるのか。こういったことが、大事なポイントになってくると思います。

■竹増定貞信(たけますさだのぶ)氏プロフィール
1969年8月12日生まれ
略歴
1993年4月:三菱商事入社
2010年6月:同社総務部兼経営企画部社長業務秘書
2014年5月:ローソン代表取締役副社長兼法人営業本部長兼ローソンマート担当
2016年3月:同社代表取締役副社長兼コーポレート統括兼成城石井・NL・LS100事業管掌
兼海外事業管掌兼エンタテイメント・サービス事業管掌兼開発本部長
2016年6月:同社代表取締役社長COO
2017年3月:同社代表取締役社長兼マーケティング本部長
2017年9月:同社代表取締役社長兼CHO兼エンタテイメント事業本部長
2019年2月:同社代表取締役社長兼CHO兼マーケティング本部長
2019年3月:同社代表取締役社長兼CHO兼マーケティング戦略本部長(現任)

■ローソン/竹増社長「大事なことは100万回言う覚悟」
https://www.ryutsuu.biz/column/m010003saizen.html

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