メタバース上で販売・体験/バーチャルマーケットに大丸松坂屋、ベルクなど70社出展

2022年11月29日 16:04 / IT・システム

HIKKYは12月3日~18日、メタバース上で行う世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット2022 Winter」を開催する。開催に先立ち、11月29日記者発表会を実施した。

<大丸松坂屋、ビームスなど70社出展>
大丸松坂屋、ビームスなど70社出展

バーチャルマーケット(通称Vket)は、メタバース上にある会場で、アバターなどの3Dアイテム、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いできる世界最大のVRイベント。2018年から開催しており、日本はもとより世界中から100万人を超す来場者を誇りギネス世界記録にも認定された。

商品売買の他にも会場内で乗り物に乗ったり、映画を見たり、音楽ライブに参加するなど、バーチャル空間ならではの体験も提供。来場者間で音声によるコミュニケーションが可能で、現実世界で一緒に街を巡っているかのような臨場感も楽しめる。

<メタバース上にある会場で買い物、交流が楽しめる>
メタバース上にある会場で買い物、交流が楽しめる

第9回となる今回は約70社の企業が参加。一般ブースは540サークルで、3Dモデルやアバターの衣装などを販売する。流通・小売業では、大丸松坂屋、ビームス、ベルク、マリークヮント コスメチックス、高島屋、名鉄百貨店などが出展する。

各社は、企業出展会場「パラリアルパリ」「パラリアル名古屋」「パラリアル札幌」で、自社の商品を紹介、販売する。メタバース上で楽しめるゲームなどのコンテンツを充実させ、顧客とのコミュニケーションを図る。

<リアルとバーチャルの融合に取り組むと舟越社長>
リアルとバーチャルの融合に取り組むと舟越社長

HIKKYの舟越靖社長は「メタバースはバズワードとして消費されつつあるが、Vketは100万人以上の来場者を集客でき、リアル商品、3Dアイテムを実際に販売し経済効果を生んでいる。また、メタバース上で接客をし、働いてお金を稼ぐこともできる。今後は、リアルとバーチャルの融合に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

2023年夏にはバーチャルマーケットとリアルバーチャルマーケットの同時開催も決定しており、メタバース上にある会場だけでなく、秋葉原など実際の街で買い物や交流を楽しめるイベントを企画している。

<ECと違い顧客との交流が密と木村氏>
ECと違い顧客との交流が密と木村氏

今回で5回目の出展となるビームスクリエイティブの木村淳課長は「最初メタバースをECの延長だと思って、スタートした。しかし、メタバースでの出展は、VRコミュニティーとの交流、接客、販売というリアル店舗での経験を生かせる上に、新たな顧客を開拓するチャレンジだ。メタバース会場で商品を手に取り、ECを見ながら買い物したりとECよりコミュニケーションを密にしてショッピングできるのが魅力でもある」と述べた。

BEAMSバーチャルショップは、「パラリアル名古屋」に出展。名古屋グランパス・クロスプラス・中日新聞がBEAMSとともに、名古屋・愛知の知られざる魅力を発信する人気企画「大名古屋展2022」がバーチャル初登場する。メタバースと現実世界を行き来するダンスボーカルグループ「学芸大青春」とのコラボスペースでは、メンバーがファンと交流するミート&グリートを開催する。

「カインズ」とのコラボレーションフロアは、サンタ気分でチャレンジできる子供部屋を模様替えするゲームを提供する。

木村課長は「バーチャルショップにおいてアバターでスタッフと接する時、参加者はリアル店舗より、気軽に相談できると好評だ。顧客との距離が縮まる感覚がある。以前出展した時、海外からの顧客が来日できなかった時期に、スタッフの語学力をバーチャルショップで生かすことができ、モチベーションアップにもつながった。さらに、バーチャルショップでスタッフのファンになってくれた顧客がリアル店舗に来るなど送客効果もある」と説明している。

今回、バーチャルショップのモデルとなったBEAMS HARAJUKU(東京都渋谷区)の店内にバーチャル接客拠点を設け、社員約40人が交代でバーチャル接客にあたる。単なる販売ではなく、顧客との密なコミュニケーション、同社の培ってきたファッションの力で、メタバース市場におけるビームスのブランド力を育てていきたい考えだ。

また、「パラリアルパリ」に「バーチャル大丸・松坂屋」を出展する大丸松坂屋百貨店は、名古屋コーチン味噌鍋セット」「海老天鍋焼きうどん」「博多あまおうのティラミス」など約2900点を販売する。

VRを楽しむ人は肩こりなどに悩まされているケースも多いことから、脳まで眠る睡眠医学と先進のテクノロジーを生かした「ブレインスリープ」の商品5点を取り扱う。

アートエリアでは、アーティスト野原邦彦氏の作品4点を販売。2D・3Dの作品を目の前で鑑賞し、作品に関する情報も学ぶことができるVR美術館となっている。手に取りやすい食品以外にも、高額な商品にも販売のラインアップを広げている。

リアル食品に加え、「食品3Dモデル」8セット(各5〜7点)の販売も実施。アバター同士の交流で、食品3Dモデルを使った「V呑み」を応援する。

<田中氏はアバター姿で接客>
田中氏はアバター姿で接客

ギフト企画運営担当の田中直毅氏は「最初、食品3Dモデルのようなデジタルデータが商品として売れるとは思わなかった。しかし、Vketの参加者からV呑みで楽しめる食品3Dモデルの需要があることを学び、今回、忘年・新年会のごちそうや冬のしあわせスイーツ3Dモデルを用意している」と語った。

さらに、同社ではメタバース接客アルバイトを全国から15人採用した。田中氏は「単なる販売スタッフではなく、インフルエンサー、会場を盛り上げるアクターとしてメタバース接客を取り入れている。一人ひとりの発信力のある人ばかりで、前回もトライしたが会場が大変盛り上がった。Vketへの出展で、百貨店の従来の客層と違った層を集客できている。堅いイメージのある百貨店も、メタバースでこんなに楽しいことに取り組んでいるという驚きを提供したい」としている。

そのほか、食品スーパーマーケットからは「ベルク」が2度目の出展。「パラリアルパリ」に、バーチャルショップをオープンする。

<ベルクVRパリ店>
ベルクVRパリ店

店舗内では今年の夏に好評だった買い物カートでのレースゲーム「ベルクカート」に続き、リアルでは絶対にやってはいけないシリーズ第2弾として、商品やオリジナルキャラクターをボールやピンに見立てたボウリングゲーム「ベルクボウル」が楽しめるという。

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