イトーヨーカドー/取引高は19年比8.4%減の1.8兆円、供給網は縮小傾向
2024年10月11日 13:53 / 経営
帝国データバンクによると、イトーヨーカ堂(以下:ヨーカ堂)向けに生鮮品を供給する企業や、テナント出店などで取引があるサプライチェーン企業(供給網)の総数は、2024年7月時点で国内1万485社となった。
派生する売上高(=取引高)は1兆7706億円にのぼり、同社の年間売上高・8149億円(2024年2月期)の約2.2倍の規模に上った。
同社は、首都圏を中心に店舗を集約し、2026年までに国内33店舗を閉鎖する構造改革を進めている。多くの店舗が閉鎖された北海道では、ヨーカ堂への供給網を構成していた企業数が5年前から1割減少した地域もみられたという。
5年前の2019年(社数:1万559社 取引高:1兆9333億円)と比較すると、社数では74社・0.7%の微減。取引高は1627億円・8.4%の減少。地方を中心にヨーカ堂店舗の閉鎖が続くなか、売り上げ規模は大きく縮小した。
供給網を構成する企業を業種別に見ると、配送業務などを担う「一般貨物自動車運送」が872社を占めた。
店舗間配送のほか、ヨーカ堂向けに物品を供給する企業間輸送などの業務が多いことを背景に、「他の食料・飲料卸(バター、水産練り製品など)」(377社)に比べて2倍以上の水準となっている。
このうち、ヨーカ堂と直接取引を行う企業(Tier1)をみると、「野菜卸」(65社)が最も多く、「他の食料・飲料卸」(64社)、「生鮮魚介卸」(48社)が続く。
また、同社の特徴として祖業の衣料品に強みがあったことも背景に、「婦人・子供服卸」(54社)などアパレル産業も上位にあがった。
都道府県別に見ると、社数で最も多いのは「東京都」の2526社、取引高は1兆1314億円。
埼玉県・千葉県・神奈川県を含めた首都圏エリアで、社数ベースで約4割、取引高では約7割を占め、ヨーカ堂の供給網は首都圏に本社を置く企業を中心に構成されている。
5年前(2019年)と比較すると、都道府県別に社数で「減少」が28、「増加」が16となった。中でも社数の減少が最も大きいのは「北海道」で、取引社数は650社→583社と67社・10.3%減少した。
北海道では、既に札幌都市圏を含め全店舗の閉鎖が決定している。ヨーカ堂の店舗網が東日本に比べて少ない近畿以西では、取引企業数が100社未満のエリアが多いほか、5年前に比べて減少となった県が多くみられた。
今回の調査は、同社が保有する「商流圏」データをもとに、ヨーカ堂を頂点とするサプライチェーン(供給網)について分析した。
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