セブン&アイ/国内コンビニ事業は高付加価値商品を強化、既存店売上2.5%増目指す

2025年04月09日 18:41 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスは4月9日、2025年2月期の決算説明会を開催した。筆頭独立社外取締役のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏は、国内外のコンビニエンスストア事業について「他社が行っていない事例をアグレッシブな形で速やかに実行できれば、素晴らしい結果がついてくる」と自信を見せた。

<スティーブン・ヘイズ・デイカス氏>
スティーブン・ヘイズ・デイカス氏

決算説明会はオンラインで開催され、井阪隆一社長は欠席した。代わりに5月の株主総会後に社長兼CEOに就任予定のデイカス氏が戦略の概要などを説明した。

コンビニ事業についてデイカス氏は「日販は国内外の競合よりも20~30%高い」と強調。国内では千葉県松戸市に昨年2月にオープンしたコンビニとスーパーを組み合わせた業態「SIPストア」について触れ、「SIPストアのイノベーションを進め、店舗で調理した品質の高い食品をお客様に提供していく」と語った。

<永松文彦社長>
永松文彦社長

国内コンビニ事業を手掛けるセブン-イレブン・ジャパンでは、2025年度の重点施策として高付加価値商品を強化していく。

高価格帯と中価格帯の商品を増やし、低価格帯の「うれしい値!」については商品特性を見極めて絞り込みを行う。客数と客単価を高め既存店売上2.5%増を目指す。

セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長は「中価格帯と高価格帯の商品を、お客様の期待を上回る味、品質を実現し、ワクワク感を感じてもらえる仕掛けとともに訴求することで、これらの構成比を高めていく。一方、今期も経済性に対するニーズは根強いと考えており、『うれしい値!』の商品を絞り込みつつ、継続していく」と述べた。

さらにセブンカフェベーカリーやセブンカフェティー、スムージーなど「できたて」商品のカウンター商品を強化。粗利率の良いこれらの商品を強化することで、2025年度は粗利額3.0%増(煙草を除く)を目指す。

「できたて」商品については、SIPストアで手応えを感じている。

同店ではホットフードなどの「カウンター商品」、生鮮食品などの「生活デイリー」、「冷凍食品」などの売上が好調で、売上・客数ともに10%以上の成長を継続している。

SIP要素を取り入れた埼玉エリアの20店舗で検証したところ、今年2月の実績で売上は7.3%増、客数は7.5%増となった。

これを踏まえ、今期は粗利率の高いカウンター商品の拡充によって、商品全体の粗利率0.6%増を狙う。

SIP要素を取り入れた20店舗では、デリバリサービス「7NOW」の注文件数も全国比2倍(2月度)に上っている。20店舗での販売上位アイテムは上位10商品のうち、店内製造の焼き鳥やアメリカンドッグなど「できたて」商品が9商品を占める。全国平均では上位10商品中、「できたて」商品は6商品だった。

永松社長は「店舗の『できたて』商品の品ぞろえが、店舗在庫から届ける『7NOW』との親和性が極めて高く、SIP要素の拡大は『7NOW』にとっても件数増加に向けた重要な鍵になる」と分析する。

セブン-イレブン・ジャパンでは、SIP要素を取り入れた商品展開と「7NOW」を連動させ、2030年度の「7NOW」の売上1200億円を目指す。

また、2025年度は約150億円を投資して、セブンカフェベーカリーを約8000店舗、セブンカフェティー2000店舗導入する計画。そのほかに次世代店舗レイアウトや改装などに約120億円、発注・会計システムなど次世代店舗システムに約270億円をそれぞれ投資する。

2030年度には、次世代店舗を含め6000店舗を出店し、売上6兆円以上を目指す。

取材・執筆 比木暁

セブン&アイ/低価格PB「セブン・ザ・プライス」20品目発売、売上20%増目指す

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