RTD飲料市場/高アルコール系商品好調、2017年は8.9%増の2839億円
2018年06月08日 15:20 / 商品
TPCマーケティングリサーチは6月8日、酒類総市場について調査結果を発表した。調査によると、2017年度の低アルコール飲料市場は、金額ベースが前年比8.9%増の2839億円、数量ベースが10.1%増の1億8000万ケースとなり、2ケタ前後の伸びで拡大した。
<低アルコール飲料の市場規模>
出典:TPCマーケティングリサーチ調べ
RTD市場では、改正酒税法で店頭価格が上昇したビール類からの需要流入、多様なニーズに対応した品ぞろえなどが若者世代を中心として需要を取り込んでいる。
高アルコール商品の需要拡大が各メーカーの売上増に寄与した。
メーカー別のシェアを数量ベースでみると、サントリーホールディングスが40.1%でトップ。次いで、キリンビールが29.4%で続いており、上位2社で約70%を占めている。
以下、アサヒビール12.7%、宝酒造11.5%がシェア10%以上となっている。
メーカー別の販売数量は、サントリーHDが9.9%増の7210万ケース、キリンビールが8.4%増の5290万ケース、アサヒビールが7.5%増の2278万けーす、宝酒造が13.0%増の2063万ケースとなった。
2018年度は、金額ベースが10.4%増の3134億円、数量ベースが12.4%増の2億230万ケースとなる見込み。
各社が活発に新商品などの投入で需要を喚起しており、酒類市場でも数少ない成長カテゴリーの需要を巡る動きがさらに激しくなっていく見通し。
<ウイスキーの市場規模>
出典:TPCマーケティングリサーチ調べ
2017年度のウイスキー市場は、金額ベースが13.1%増の1147億円、数量ベースが9.0%増の16万2736klとなった。
ウイスキー市場は、ハイボール人気による若者層への浸透を経て、飲用層のすそ野が拡大している。
国産、輸入別(数量)でみると、国産が10.0%増の13万9196kl、輸入が3.3%増の2万3540klと、ボリュームの大きい国産ウイスキーがより拡大している。
市場が活性化した背景としては、国際的なコンペティションで、国産ウイスキーが高い評価を得ていることなどが寄与している。
メーカー別(数量)では、サントリーHDがシェア40.9%でトップ。次いで、アサヒビールが25.2%、宝酒造が2.8%、キリンビールが2.4%などで続いている。
国産ウイスキー市場は、サントリーHDとアサヒビールの2強となっており、2社で全体の65%超を占めている。
2018年度は、金額ベースが10.7%増の1270億円、数量ベースが4.8%増の17万500klとなる見通し。
引き続き、好調なハイボール需要からの飲用層拡大により、国産ウイスキーがけん引する形で拡大すると見られる。
2018年度における国産・輸入別(数量)は、国産が5.0%増の14万6200kl、輸入が3.2%増の2万4300klとなる見込み。
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