セブン&アイ/低価格PB「セブン・ザ・プライス」上期売上は前期比50%増で伸長
2025年08月25日 15:31 / 商品
セブン&アイ・ホールディングスの低価格プライベートブランド(PB)「セブン・ザ・プライス」の売れ行きが好調だ。上期は期初の計画から上振れて推移。8月下旬からは新商品19アイテムを発売するほか、既存9アイテムの増量も行う。
物価高が続き生活者の節約意識が高まる中で「セブン・ザ・プライス」の販売は順調に伸びている。
前期(2024年3月~2025年2月)の売上は前期比2倍に拡大。今期は20%増の目標を掲げていたが、上期(3~8月)は50%増と想定よりも上振れて推移している。
こうした状況を受け、通期の「セブン・ザ・プライス」の売上目標は現状の50%増を維持したい考え。
8月25日に開催されたプレス向け発表会で、イトーヨーカ堂執行役員営業企画室長の中村哲士氏は「(今期は)発売当初からお客様に支持をいただいた。売上上位アイテムは、ブルベリー、カットほうれん草、なめらかクリーミーヨーグルト、ロースハム、食パンなど頻度性の高い商品」と説明する。
中村氏によると「セブン・ザ・プライス」の特徴の一つが高い購入点数だ。バスケット点数は通常の1.5倍。一方で、バスケット単価は1.1倍となり、「バスケット単価を大きく上げることなく購入点数の増加につながっている」(中村氏)。
スーパーマーケット業態における「セブン・ザ・プライス」の購入層は、30代以下のファミリー層からの支持が多い。これは60代以上のシニア層を主要顧客とする「セブンプレミアム ゴールド」とは対照的だ。
好調な売れ行きの「セブン・ザ・プライス」。8月25日からは、購入頻度が高い定番商品を中心に新商品19品目を順次発売する。
具体的には「花かつお」(税込321)や「なすとひき肉のコク甘みそ炒めの素」(116円)、「ライトツナフレーク かつお油漬」(537円)、「にんにく塩だれ」(300円)など。
デザインの色を減らしたり物流効率化のほか、シンプルな商品作りによって価格を抑えている。例えば「花かつお」は鰹の生原料の仕入れから製品化まで一貫管理することでコストダウンを実現。「にんにく塩だれ」は「焼肉のたれ」と同じ容器を使用することでコストを削減した。
新商品は「イトーヨーカドー」「ヨーク」などスーパーマーケット業態196店舗で展開する。「『セブン・ザ・プライス』の商品は現状、セブン-イレブンでも豆腐や納豆など48アイテム程度扱っている。今後スーパーマーケット業態で売れ筋の商品についてはセブン-イレブンでも展開していく」」(中村氏)という計画だ。
また、新商品の投入に加え、既存の9アイテムを増量し、数量限定で販売。「ブロッコリー」(537円)や「カットほうれん草」(429円)はそれぞれ100g増量している。
新商品の投入により8月末時点で「セブン・ザ・プライス」の品目数は270アイテムとなる。今期中に300アイテムへの拡大を目指している。
取材・執筆 比木暁
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