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2020年度の労働生産性/小売業前年度比1.8%減、飲食店22.9%減

2021年11月11日経営

日本生産性本部が11月11日発表した「日本の労働生産性の動向2021」によると、2020年度の労働生産性は、小売業前年度比1.8%減、飲食店22.9%減だった。

<小売業の労働生産性と現金給与総額指数の推移>
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全産業平均で、2020年度の日本の時間当たり名目労働生産性は4986円。実質(時間当たり)労働生産性上昇率は0.4%減。2020年後半は回復に転じたものの、2021年に入って再び低迷した。日本の一人当たり名目労働生産性(就業者一人当たり付加価値額)は805万円。実質(一人当たり)労働生産性上昇率は3.4%減で、1995年度以降で最大のマイナス幅となった。

<飲食店の労働生産性と現金給与総額指数の推移>
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小売業は、四半期ベースで詳しくみてみると、2014年第2四半期から2019年第2四半期まではほぼ横ばいの状況が続いてきたが、2019年10月の消費税引き上げに伴う需要減が労働生産性の大幅な低下(前期比7.3%減)につながっている。この2019年第4四半期の落ち込みから回復しきれない状況下で コロナ禍に見舞われることになった。ただ、2020年第2四半期の労働生産性上昇率は1.8%減と、2019年第4四半期のマイナス幅の1/4ほどであり、2020年第1四半期の上昇分(2.1%増)がほぼ相殺された程度である。

2020年第3四半期からは労働生産性が緩やかながらも回復に向かっている 。したがって、小売業の労働生産性への影響の大きさということでみれば、コロナ禍よりも消費税率引き上げの方が大きかったことになるとしている。

<イオン、三越伊勢丹、青山商事の労働生産性の推移>
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主な企業の労働生産性をみると、イオンの労働生産性(従業員1人当たり売上総利益/連結ベース)は733万円(2020年度)だった。同社の労働生産性は、2011年度からの9年間で平均0.7%増と緩やかに上昇する傾向にあるが、2020年度は前年度水準(749万円)を下回っている。

百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスの労働生産性は、2020年度になって大きく低下している。同社の労働生産性は、2011年度から緩やかながら上昇傾向で推移してきたものの、これまで業績を支えてきたインバウンド(訪日外国人)向けの売上がほぼ消失し、国内需要も落ち込んだことや休業要請を受けたことが影響した。

また、百貨店に比較的近い状況にあるのが紳士服専門店である。同業最大手の青山商事も、2013年度以降、労働生産性が低下傾向にあり、2020年度もそうした傾向が続いている。オフィスウエアのカジュアル化、冠婚葬祭の簡素化、テレワーク拡大による外出着需要の減退といった環境変化により、ビジネスウエアやフォーマルウエアの需要が減少している。それが労働生産性の動向にも影響していると考えられるという。

飲食店は、労働時間の縮減が進んだものの、労働生産性上昇率はマイナスだった。主に所定外労働時間(残業)の変化率が34.7%減となったが、日本生産性本部は「労働生産性の低下に伴って賃金も低下しているが、こうした残業削減による所定外賃金の落ち込みも一因になっている」としている。

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