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日本百貨店協会/2024年問題で開店前納品の是正と納品リードタイムを緩和

2023年06月23日 15:40 / 経営

日本百貨店協会は6月23日、百貨店業界における2024年問題への対応として、取り組みを始めた開店前納品の是正と納品リードタイムの緩和について発表した。

国内では、2010年代前半から物流需要が高まり、物流人材の不足が加速し、特にトラックドライバーの厳しい労働環境が問題視されている。2023年6月には、関係閣僚会議において、物流革新に向けた政策パッケージが発表されるなど、2024年4月の働き方改革関連法の施行に向けた準備が求められている。

百貨店業界でも、2024年問題の解消に向けて、百貨店、納品代行事業者、アパレル・ファッション関連事業者の総意で、まずはアパレル・ファッション関連商品の開店前納品の是正および納品リードタイムの緩和に向けた取り組みを始めた。

<開店前納品の是正>

これまで百貨店では、店舗の開店時間に合わせて品揃えをするために、検品が必要な商品については、物流事業者が深夜に検品作業を行い、早朝にドライバーが集荷することで、開店前までに商品を納品することが慣例化している。

この対応として、検品作業を日中に移行し、納品時間を開店後にずらすことで、物流事業者の深夜業務のうち、検品作業を削減し、トラックドライバーの労働時間短縮も図る。

<ピストン運行を導入>

納品リードタイムの緩和では、納品量が多い店舗については、開店時間に間に合わせるために複数のトラック(ドライバー)で納品を行っているが、1台のトラックによるピストン運行に切り替えることで、ドライバー不足の解消に努める。

<集約運行>

一方で、納品量の少ない店舗については、低積載率で複数回の納品を行っているが、納品回数を減便し集約することで、積載効率の向上を進め、ドライバー不足の解消を目指す。

これらのスキームをもとに、昨年度から、先行する百貨店9社では、納品代行事業者、アパレル・ファッション関連事業者と共に具体的な検討を進めており、一部の店舗では実証実験を開始している。日本百貨店協会では、6月に全国の加盟百貨店向けの説明会を実施し、検討内容と実証結果の共有を図った。それを受けて、各加盟店では、来年4月の改正法施行に向けた準備に入っている。なお、今後は、雑貨等その他の商材への拡大も視野に入れている。

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