ファミリーマート/加盟店「時短営業」選択制に、本部は希望退職募集
2019年11月14日 17:50 / 経営
ファミリーマートは11月14日、新たな加盟店支援、本部の構造改革として、時短営業の実施、加盟店支援制度の拡充、希望退職の募集などについて発表した。
2019年4月に策定した加盟店支援の「行動計画」を策定し、順次取り組みを実施してきたが、今回さらに内容を追加したもの。
時短営業について、2020年3月より実施。加盟店における人手不足の深刻化、深夜の客数減少を背景に、2019年6月から一部地域で時短営業の実験を開始した。
全国の加盟店を対象に時短営業に関するアンケートを実施。2019年10月から全国約620店にて時短実験を拡大し、利便性と安定的な店舗運営の適切なバランスを模索してきた。
フランチャイズ契約の見直しを進めた結果、時短営業は、加盟者が希望する場合は、本部と事前に協議の上、加盟者の判断により決定する方式に変更することとした。
具体的には、毎日時短と週1時短(日曜日)の2パターンから選択し、加盟店のニーズに沿った店舗運営ができるよう、柔軟に対応していく。
24時間営業分担金(旧:24時間営業奨励金)においては、最低賃金の上昇率に合わせた増額に加え、ベース金額を従来の月額10万円から12万円に増額。現状全ての24時間営業店舗に一律で支給されている24時間営業分担金を、週1時短営業店舗においても、日割り計算にて支給する。
詳細は、現在実施している時短実験の結果を踏まえて、2019年12月以降速やかに決定する。
また、加盟店支援制度を2020年3月より順次拡充する。店舗を取り巻く経営環境は、今後も厳しさが増していくと想定される。今後も質への強化を進め、加盟者が前向きに安心して経営に集中できる環境づくりの一環として、「24時間営業分担金の増額」、「廃棄ロス対策の強化」、「複数店及び再契約奨励金の増額」を進めていく。
「廃棄ロス対策の強化」については、加盟店と本部の廃棄ロスの負担割合につき、本部の比率を高める。フードロス問題への対応として、廃棄率改善に向けた加盟店の支援制度を開始する。
「複数店及び再契約奨励金の増額」は、複数店化により加盟者の事業基盤を安定・強化させるための支援を実行するとともに、加盟者の長期の安定経営を支援するため再契約奨励金を増額する。
支援の総額は年間約100億円(1店あたり平均年間約70万円)を想定している。
本部の構造改革については、益々厳しくなる小売業界で勝ち抜くために、チェーン全体の競争力を高める必要があると判断し、先んじて組織のスリム化・業務効率化を進める。
組織体制は、地域に密着した組織づくりをテーマに、現場力を向上させるため、エリア本部を新設。本部から各地域に積極的に権限移譲を行うとともに、本社組織をスリム化する。
さらに、現在の店舗数に合わせた人員体制の適正化を図るため、原則40才以上の社員(出向者含む)(所属毎に対象範囲を設定)を対象に、2020年2月までに約800名(全社員の約1割)の社員の希望退職を募る。
通常の退職金に加え、割増加算金を支給するとともに、希望者には再就職支援を実施するという。
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